厚紙の種類
厚紙として認識されている紙も、実際にはたくさんの種類に分けられます。使いたい紙の種類を正確に知っておけば印刷会社とのやり取りもスムーズにいきます。それぞれの種類に応じた機能・特徴があります。
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板紙
板紙とは紙を抄造する際にいくつかの層に分けて作られる紙で、最終的に2層・3層の紙が1枚にまとめられているものです。表面に光沢を出したり、再生紙と付け合わせたりすることでコストを安く抑えたりと様々な目的に応じて作られます。厚紙=板紙という認識の方も非常に多く、厚紙の中でも代表的な紙の種類と言えます。
板紙はパッケージや台紙などによく用いられます。種類も非常に豊富で、抗菌性や耐水性など使用目的に合わせた機能を持つ紙や、コストを安く抑えることができる紙などがあります。印刷適性もよく、加工もしやすいため最もよく使われている厚紙と言っても過言ではありません。 -
段ボール
外装箱として最もよく使われている段ボール箱。商品の発送には欠かせない段ボールですが、構造が他の厚紙と異なり段目があるため緩衝材の役割も果たすことができます。一方で厚みがありすぎると通常の印刷機での印刷は難しく、印刷する方法が限られているため注意が必要です。
段ボールは輸送箱に使われることがほとんどですが、ピザやパイなど大きいサイズの食品用パッケージとして使われることもあります。ただし、食品を置くところは食品対応の紙を使用したり食品対応の加工をほどこしておく必要がありますのでご注意ください。 -
特殊紙
特殊紙は通常の紙と異なり、特殊な機能が追加されていたり、抄造される際に柄がついていたりしている紙です。耐水・耐油機能や抗菌性のある紙があります。一般の紙とは異なる機能が付加されているため、紙の値段自体も通常の紙より高い場合があります。
特殊紙には様々な機能があるため目的に応じた紙の選定が必要です。また、そういった紙を日常的に取り扱っているどうかで印刷適性・加工適正に関する知識、ノウハウに差がでます。弊社では厚紙の取り扱いが多いため、こうした特殊紙の印刷加工に関しても安心してお任せください。 -
PP/PET
PP/PETはいずれもプラスチック製品です。PPはポリプロピレン、PETはポリエチレンテレフタレートの略です。透明の素材で印刷することもできるため、クリアケースとして使われていることが多い素材です。一般的な板紙よりは少しコストが高くなりますが、化粧品や日用雑貨のパッケージなど比較的多彩な分野で使用されています。
PPとPETの大きな違いはPPのほうがPETよりも少し柔らかいという点にあります。柔らかいため大きなサイズのパッケージに使用すると少したわんでしまいます。逆にPETはしっかりと張りがあるのが特徴ですが、表面が固く擦れることですぐに傷がついてしまうところが難点です。しっかりと梱包して輸送しないと商品同士が輸送中にぶつかって傷がついてしまう危険性があります。 -
原紙
原紙とは、特定の紙の目的で加工されることを前提で作られる紙のことを指します。耐熱性を持たせてケーキを焼くことができる「ハイブリッド原紙」やVカット加工と呼ばれる紙をカットしてもしっかりとキレイな断面が見えるVカット原紙、他にもコースター用に作られるコースター原紙など、それぞれの商材の機能に合わせて作られる紙のことを指します。
原紙においても厚手の紙が多く、厚紙として認識されているケースがほとんどです。これは、印刷はもちろんのこと印刷後に加工されることを前提としているためです。
ある程度の強度が無ければ加工時点でのロス率が高くなってしまうことが多いため、厚く作られることが多いようです。